中高年男性の多くが陥る肥満の原因

 

中高年男性の多くが陥る肥満の原因


男性、それも中高年男性によくみられるのが、内臓脂肪型肥満。
よく見かけるのが、みぞおち下ぐらいから、お腹がふっくら胴まわりが太ってきて、
それが段々と、ぽってり膨らみ、遂には腰ではなく、
大きくなったお腹の下でズボンのベルトをする、というパターンです。

CT画像で見ると、皮下脂肪は少いのに、臓器の周りや特に小腸を固定している腸間膜に
内臓脂肪が多く貯えられています。小腸は上腹部にあるので、
お腹ポッコリのリンゴ型の、内臓脂肪型肥満になっているのです。

腸間膜は、腹腔の後壁に腸管を正しい位置に収めている薄い膜で、
臓器間の神経や血管・リンパ管が走っています。
また、食べ過ぎや運動不足で余ったエネルギーが、体内で合成した中性脂肪になって、
腸間膜に保存されるので、臓器の間を内臓脂肪が取り囲んでいます。

そんな体型の方は、身体も重く、やはり運動もやりにくいし、すぐ疲れるようで、
悪循環になって、なかなか体重を落とすことができません。

しかし、内臓脂肪は元来、皮下脂肪より、増えやすいけれど減りやすいので、
中高年女性の頑固な皮下脂肪を減らす事に比べたら、その気さえあれば、
もとに近い体型へ返ることは容易(?)です。

20代を過ぎて、好きな物を食べ、好きなお酒も飲み、
元気で少々無茶をしても、身体の事など気に掛けなくてもよかった。
でも長くそんな日を続けている内、気が付けば中高年の疲れやすい、
肥満体形になっていた、という方が、多いのだはないでしょうか。

30代40代は、仕事もお付き合いも忙しく、若い時から続けているスポーツがあっても、
回数はどうしても減っているはずです。
中年以後も、勤務状態によって、食生活や運動習慣は影響されるので、
中高年男性の多くが陥る、肥満になりやすい原因です。

40代~50代の男性の肥満者は30%を超え、今や3人に1人が肥満といわれます。
気持ちは若い頃と変わっていなくても、
悲しいかな、物理的な身体は、徐々に老化している現実を知らされます。

中高年が肥満になる原因は、やはり
「摂取エネルギーの過剰」と「運動不足」「基礎代謝の低下」です。
基礎代謝が低下しているにもかかわらず、摂取カロリーが 増えていることと、
運動不足になっていることが原因なのです。

人間の基礎代謝は、18歳ごろがピークで、中年以後は、筋肉を維持する運動をしないと、
10年に100~150kcalずつ減っていきます。
なのに、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、
男性の摂取カロリーは、20~30代よりも40代以降のほうが多いそうです。

食べ物・飲み物からエネルギーを身体に入れるのに、消費する基礎代謝は減り、
運動に使うエネルギーも減るとならば、余分なエネルギーは身体に残るのは、
当たり前ですね。若い時と同じ量を食べていては、中高年は太るのです。
その余分なエネルギーが、体脂肪として、特に男性は内臓脂肪の形で
体内に蓄積されている状態が、目に見える、中高年に多い肥満体形なのです。

その肥満体形を放っておくと怖いのが、生活習慣病からくる、
メタボリックシンドロームです。
この内臓脂肪型肥満は、自覚症状がほとんどない高血圧や、糖尿病、
高脂血症になりやすく、正常者に比べると、4~5倍もなりやすいと統計が出ています。
一つ一つの症状は軽くても、複数重なると、日本人の死亡原因の上位を占める、
癌や動脈硬化、その他、驚くほど多くの病気の原因になります。
中高年の肥満は、放っておくと死につながるので本当は怖いのです。


 

中高年男性の肥満を解消するには


①食生活を見直し、改善

 ・基本の主食・主菜・副菜をバランスよく摂りましょう。
 ・朝食をしっかり、3食を出来るだけ決まった時間に摂りましょう。
 ・好き嫌いをなくし、5大栄養素を偏らず、万遍なく摂りましょう。
 ・朝食を抜いたり、夜遅い時刻や、寝る前の食事や間食は止めましょう。
 ・食べ過ぎない、飲み過ぎないを心して守りましょう。
 ・カロリーの高い食品や、油を使って調理したフライ・天ぷらや、
  脂っこい食事は避けましょう。
 ・野菜類・海藻類を多く、肉より魚を食べましょう。
 ・献立は、日本食が肥満になりにくいです。
 ・薄味に慣れましょう。塩分の摂りすぎは高血圧になり、血管を硬くし老化を早めます。
 ・甘い物は、けっこうカロリーが高いので、食べ過ぎに注意。
  ブドウ糖入り甘いジュースや清涼飲料水は止めて、お茶にする。
  コーヒー・紅茶に砂糖を入れず、そのままの味を楽しみましょう。
 ・お酒の好きな方は、出来るだけカロリーの少ないお酒を選んで適量を。
  (お酒の好きな方は、お酒の種類によりカロリーの違いはご存知でしょう。)
 ・出来る事なら、昼食は奥様手作りのお弁当で。
  外食やコンビニ弁当はどうしても、偏りがちになるので、
  日頃から奥様の協力環境を、整えておきましょう。
 ・一人暮らしをしている方、自炊の面白さをわかってほしいです。
 ・食事はよく噛んで、味わいながらゆっくり食べましょう。
 ・夏場は、冷たい物の摂りすぎに気をつけましょう。
  氷水より、湯冷ましのお白湯が身体にいいです。


 

②基礎代謝を上げて、太りにくい身体に

私達が就寝中も、じっとしていても、心臓は血液の出し入れをし、
肺は呼吸して酸素を取り入れ、二酸化炭素を出しています。
身体の全臓器は仕事を休むことなく、それぞれの役目を果たしています。
基礎代謝とは、私達が生きている状態を保つのに必要な、この機能を維持するのに、
必要最低限のエネルギーを「基礎代謝」といいます。

私達が消費する一日のエネルギーの約60~70%が「基礎代謝」で使われ、
約20~30%が日常生活や運動で消費する「生活運動代謝」、
10%が食事の消化・吸収・代謝に消費する「食事誘導熱代謝」、
として使われていて、基礎代謝が大きな割合で消費されています。

基礎代謝の低下は
加齢による筋肉の衰えや、心肺機能の低下が主な原因ですが、
基礎代謝を上げる方法で、誰でもすぐできる事があります。

・食事はゆっくりと、野菜類から食べ始めて、よく噛んで食べます。
 噛むことで、脳へ刺激がゆき、ノルアドレナリンが分泌され、
 細胞が活性化されエネルギーが消費され、基礎代謝が上がります。
 また、よく噛むことは、唾液の分泌を増やし、消化酵素も多くなるし、
 唾液により虫歯にもなりにくくなって、いいことだらけなのです。
 
・いつも姿勢をよくし、正しい骨格に沿った姿勢を保つ緊張感を持ちましょう。
 良い姿勢を長時間保つには、ある程度の腹筋力・背筋力が必要です。
 猫背は、胸を狭め、沢山の空気を肺に入れることができず、
 横隔膜も大きく動けず、内臓器の働きも悪くしてしまいます。
 
 姿勢が悪いのは、自ら老化を進めているようなものです。
 一日中デスクワークの方は、時々手足を伸ばしたり、肩をまわして、
 緊張感をほぐしてやりましょう。
 なお、変な癖の付いた姿勢でいるより、正しい姿勢が
 一番疲れにくく、身体に良い姿勢です。

運動することで筋肉を鍛え、筋肉量を増やすことももちろんとても大切ですが、
上記にも書きましたが、「基礎代謝」の方が「「生活運動代謝」より、
2倍以上消費されているので、運動をしてエネルギーを燃やすより、
基礎代謝を上げて、エネルギーを燃やす方が、効率が良いといわれます。

最近は若い女性だけでなく、子供や男性の低体温が、問題になっていますが、
基礎代謝と低体温とは、深い関係があります。
基礎代謝が低下すると、体温も下げてしまいます。
低体温(35.9℃以下)では免疫力が落ち、癌は低体温好むので、
癌になりやすく、血液の循環が悪くなり、様々な身体の不調
(肩こり・腰痛・疲れやすく、疲れが取れにくい・手足が冷える等)
が現れ、自律神経失調になりやすくなります。

体温は年齢や測るタイミングによって異なり、一日の内でも常に変化していますが、
自分の平熱を知るためには、平常時の3~4日間の朝・昼・夜の体温の平均値を出します。
基礎代謝を上げ、低体温のリスクから遠ざかるようにしましょう。

 

③適度な運動をする

運動はやりすぎても、全然やらなくのもいけません。

米国の疫学調査では、肥満者で身体活動能力が低い人程、
極端に死亡率が高いことが、統計で出ています。
中高年の肥満で運動しない人は、致命的な生活習慣病体質を、
自ら選んで作っているいると言えます。

日本では、20代から60代の中で、男女共年齢が髙くなるほど、
体重に気を付け、コントロールしようとする人の割合が増えています。
また、WHO基準のBMI30以上が肥満ですが、日本人は生活習慣病になりやすいため、
BMI25以上が肥満の基準になっています。
2014年4月に新基準として、BMI 男性で「18.5~27.7」、女性は「16.8~26.1」
の基準値範囲が拡大されましたが、わが町の保健所指導員さんは、
やはり、BMI 25 を基準に、厳しく肥満チェックを勧めています。

中高年にとって、適度な運動は、筋肉量の減少を予防し、基礎代謝の低下を防ぐと共に、
運動能力の低下を防ぎ、「健康寿命を延ばす」大事な行動です。
1週間に1度のペースでも、好きなスポーツを続けることは、
若々しい身体を保つ良い習慣で、仕事やお付き合いにもプラスになるでしょう。

仕事内容や、勤務状態により、そんな時間がない方もおられるでしょうが、
定期的スポーツが不可能な方もできる、日常生活においてのおススメ運動。

・通勤時に出来るだけ、歩く機会を見つける。
 例えば、駅まで歩く。バス停一つ分歩く。
 歩き方も、だらだらでなく、少し早めに姿勢よく歩く。
 電車の中で空席があっても座らず、立っている。
 つり革を持っている時、つま先立ち運動をしたり、時々手を離し身体のバランスをとる
 駅では、エレベーターやエスカレーターに乗らず、階段を利用する。

・仕事先で、
 簡単に出来る事を、人に頼まず自分で身軽に動く。
 時々椅子に坐ったまま出来る背筋伸ばしや、両足を伸ばして足首の屈伸をする。
 夏場のエアコンの効きすぎで、身体の冷やし過ぎに気を付け、
 休憩時間に軽く足踏みや、ラジオ体操の一部分的な動きで、身体を動かします。
 背筋を伸ばし、深く椅子に腰かけ、正しい姿勢を保って机に向かいます。
 

・自宅で
 洗顔や歯みがきをしている時、スクワットや、片足立ち運動の習慣をつける。
 入浴はシャワーだけでなく、夏でも時には湯船につかり、
 身体を温め、血行をよくしましょう。
 寝る前の軽いストレッチは、血行を良くし快い眠りに誘います。
 冬の寒い時期は、寝具の中で出来る動きだけでも、続けると効果があります。


・その他
 更年期は女性だけでなく、男性の中にも現れる方もいるので、
 身体の不調が続く時は、無理をせず、ゆっくり休養をとることも大切です。
 気持ちの持ち方を変え、時には仕事を人に任せたり、気分転換をはかったりしましょう。
 仕事上や家庭のストレスを、運動や、趣味、家族や友人との会話や入浴などで、
 うまく発散させ、食べることでストレス発散することなど絶対しないで、
 精神的イライラを溜めない工夫をしましょう。
 肥満のためというよりも、自分の身体全体の健康のため、廻りの人の迷惑のため、
 喫煙習慣は止めましょう。 

 




関連サイト
  肥満は早めの対処で早く解消

  肥満解消のための減量

  深刻な高齢化社会の、ロコモティブシンドロームを理解しよう。

コメントは下のボタンを押して別ウィンドウから投稿できます。