身近になった遺伝子検査

簡単に出来る遺伝子検査

ネット上で、簡単な方法で出来る色々な遺伝子検査のお勧め情報が載っています。
最近では、芸能人の遺伝子検査による、親子鑑定が話題になって、
その賛否両論の関連番組がテレビで放映されたりで、
「遺伝子検査」についての関心が増えてきているのを、ご存じの方も多いと思います。
海外でも女優アンジェリーナ・ジョリーさんが受けた遺伝子検査の
「乳がんの可能性を調べる検査」で、
可能性が高いとの結果から、乳房切除をしたことは、有名です。

以前は「遺伝子検査」なんて、事件か何かで扱うものとの認識があったのですが、
一般の人でも、親子関係に疑問を持った、片方の親が、密かに遺伝子検査のために、
必要な材料を検査機関に送り、遺伝子検査を依頼することも、最近では多いそうです。
子供の教育に迷っている親が、運動能力の程度や、自分の子の特性を知り、
どんな方向に導けばいいかの参考に、遺伝子検査を依頼することもあります。


また、同じように、親や兄弟たちの病歴から、果たして自分自身が
どういう病気になりやすいか、遺伝子検査によりわかれば、
早くからそれに備えた注意や、対処ができる、とのことで、
遺伝子検査を依頼する人も、増えてきています。

費用は、検査内容により、安くて1万円代から、検査項目が多い20万円代ぐらい。
病院で依頼することもできますが、遺伝子検査キットを検査機関から、自宅に取り寄せ、
爪の一部や、綿棒型キットで口腔内をこすった物を、返送して依頼することもできます。

新聞によると、遺伝子検査でわかることとは、
 ・遺伝性疾患
 ・染色体の異常
 ・癌のタイプ
 ・抗癌剤などの薬の効果
 ・糖尿病や高血圧などの病気のなりやすさ
等が、あげられます。



しかし、遺伝子検査は、実際のところ、どこまでわかるのでしょうか?

国立成育医療研究センターの松原洋一研究所長によると、性格やダイエット法が解ると
ネット上で広告している遺伝子検査は、殆ど占い程度のことしかわからないそうです。

「遺伝子要因」で、全てが決まる訳でなく、後天的な「環境要因」の影響も大きく関わり、
例えば身長については、6~8割が遺伝的要因で決まるのに対し、
学業成績や性格については、5割に満たないとされていますし、
どんな遺伝子が、関係しているのかも、まだよくわかっていないのが、現状です。

遺伝子の変異が原因で起こる「遺伝子疾患」は、約7千種類もあり、
原因となる遺伝子がわかっているのは、そのうちの約半数。
基本的には、1種類の遺伝子の変異が原因で起こるのですが、
その遺伝子の変異が、どこの場所なのか、また複数の遺伝子を含む染色体の一部が切れていたりと、
その変異の様子は、様々あるし、たとえ遺伝子に変異があっても、発症しないものから、
かならず発症するものまで、それも色々です。
それに遺伝子検査と言っても、どんな変異を調べるかによっても、検査方法は異なります。

しかし医療現場では最近、特定の遺伝子に変異があると、
抗癌剤の効きやすさが異なる、という事が判ってきたので、
抗癌剤の効きやすさの判断に、遺伝子検査をする病院が増えてきているそうです。

糖尿病などの生活習慣病は、遺伝子検査によって、ある特徴の遺伝子をもつ人は、
持っていない人より、糖尿病に1.5倍なりやすいという、研究結果も出ています。
しかし糖尿病の発症には、他の複数の遺伝子が関係しているので、
1.5倍なりやすといっても、これは同じ遺伝子の特徴を持つ人全体の平均であり、
個人のなりやすさを示す数字では、ないそうです。

まだまだ病気の種類が多いのに比べ、患者数のデータが少ないので、
今後は、遺伝子検査の分野も、急速に研究がすすむと思われます。

ある新聞社の、電話による世論調査によると、
生活習慣病の予防や、癌の早期発見等に役立つ一方で、
治る見込みのない病気にかかる可能性がわかる、遺伝子検査を、
「受けたい」と答えた人、 52%
「受けたくない」と答えた人、 41% でした。



また、妊婦の血液で胎児の遺伝子を調べる「新型出生前診断」は、
2013年4月から始ましたが、1年間で7700人余りが受け、
胎児にダウン症など、3種類の染色体異常があるかを見る検査で、陽性だったのは、142人。
確定診断を経て、その内の110人が妊娠中絶を選んだそうです。
世論調査では、こうした遺伝子検査診断が、
「広まった方がいい」と答えた人、 47%
「そう思わない」と答えた人、32%
「その他・答えない」と答えた人、21% でした。

そして、こういった遺伝子を調べる技術が進んでいくことに、
「期待を強く感じる」と答えた人、45%
「不安を強く感じる」と答えた人、42% で、
技術をめぐり、期待と不安が入りまじっている事が、うかがえます。 

世論調査で、病気でない一般の人の半分以上が、
遺伝子検査を受けたいと、思っていることでもわかりますが、
ネット業界大手でも、唾液や、爪から簡単に遺伝子検査をする、新規事業を展開しています。
将来は健康保険組合と連携して、健康診断などに遺伝子検査を組み入れたいとも。

「検査で体質が判明すれば、個人がどんな点に、とりわけ注意すべきかがわかり、
合理的な健康対策が出来る」とも言っています。
しかし、あくまでも、遺伝性の病気などの解析項目は含まず、
「結果は、病気へのかかりやすさを統計的に示すもので、診断ではない」
と、強調もしています。

身近に、簡単に出来るようになった遺伝子検査には、多くの問題課題があります。
個人の様々な特徴を示す遺伝子情報は、就職や、保険加入時の差別に使われないか、
個人情報の管理は大丈夫なのか、検査結果はどこまで信頼できるのか、等々。
今年、K大学でも、遺伝子検査など先端的な医療情報を社会が、
よりよく生かすための方策についての検討を、始めているそうです。   (2014年8月24日現在)


自分に適したダイエット方法を、遺伝子検査で調べるということも、完全ではありませんが、
肥満のタイプや、自分にとって効率よいダイエット法を、参考にする目的で、
身近に簡単にできる遺伝子検査で、利用するのもいいかもしれません。
また体質上お酒に強いか、弱いかを知ることも、自分の身体を守るひとつの手段です。







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